USCPAの難易度は?必要な勉強時間と難しい理由を徹底解説!
- USCPAってどのくらい難しいのだろう?
- 合格までに必要な勉強時間を教えてほしい!
- USCPAって何が難しいの?事前にできる対策は?
幅広い職種・業界で評価されることで人気の高いUSCPAですが、実際にどのくらい難しいのか、どのくらいの勉強量が必要なのかを知りたいという人は多いです。
この記事を読むと、USCPA合格に必要な勉強時間や、他の資格試験と比較してどのくらい難しいかが分かります。
USCPAの取得を検討している人や、USCPA合格の難易度が知りたい人はぜひ最後まで読んでください。
USCPAとは米国の公認会計士資格
USCPA(U.S. Certified Public Accountant;米国公認会計士)とは、アメリカにおける公認会計士の資格です。
幅広い職種・業界で評価される会計の知識と英語力が身につき、国内でキャリアアップしたい方や、海外で働きたい方に人気を集めています。
また、日本でも取得することができ、働きながら合格を目指せる点も人気の理由の1つです。
USCPAに合格するメリット
USCPAは、会計と英語の知識が必要な試験であるため、活用方法は多いです。この章では、USCPAを取得するメリットを3つ紹介します。
キャリアが広げられる
USCPAは公認会計士の試験ですが、日本の公認会計士と比較して幅広い知識が得られるため、会計士はもちろん、それ以外のキャリアでも活用することができます。
グローバルなキャリアを築ける
USCPAの試験はアメリカの各州が認定する公認会計士試験であることから、海外で働くことも可能になります。また、グローバルに展開する日本企業や、外資系企業からも高く評価されています。
英語力の証明になる
USCPAの試験はすべて英語で行われます。そのため、USCPAに合格していることは、同時に英語力の証明として利用することができます。
試験制度:4科目全てに合格する必要がある
USCPAは4つの試験科目すべてに合格する必要があり、全科目英語で出題されます。また、科目合格の有効期限は18ヶ月(1年半)です。
試験科目は以下の4つです。
- FAR(財務会計)
- AUD(監査および諸手続き)
- REG(諸法規)
- BEC(企業経営環境・経営概念)
なお、2024年1月以降は試験科目が変更され、BECが以下のいずれかの選択科目に変更になります。
- BAR(ビジネス分析と報告(公会計を含む)
- ISC(情報システムとコントロール)
- TCP(税務コンプライアンスとプランニング)
試験について詳しく知りたい人はこちらの記事もご覧ください。
USCPAの合格率と必要な勉強時間
USCPAの合格率や勉強時間について見ていきます。
USCPAの合格率は各科目50%前後
試験には4つの科目があり、すべての科目に合格する必要があります。
米国公認会計士協会が公表しているデータによると、全受験者における平均合格率(2023年)は、各科目とも50%前後です。
科目 | Q1 | Q2 | Q3 | Q4 |
---|---|---|---|---|
FAR(財務会計) | 41.82% | 42.78% | ||
AUD(監査および証明業務) | 47.01% | 48.24% | ||
REG(諸法規) | 58.63% | 59.71% | ||
BEC(ビジネス環境および諸概念) | 56.98% | 59.16% |
必要な勉強時間は1,000〜1,500時間!
USCPAの勉強時間は、1,000~1,500時間と言われています。平日に2時間、休日に4時間ずつ毎日勉強したとして1年~1年半程度かかる計算になります。前提知識や受験勉強経験の有無によって変わります。
なお、総勉強時間を減らしたい場合は、以下の勉強をすることをおすすめします。
- 簿記(2級程度)
- TOEIC
他の資格試験との比較
ここでは、合格率や勉強時間の観点から他の資格と比較することでUSCPAの難易度を見ていきます。
勉強前の知識によって異なりますが、参考までに。
USCPA | 公認会計士(日本) | 簿記1級 | |
---|---|---|---|
科目数 | 4科目 | 8科目 | 4科目 |
合格率 | 約30%(日本人のみ) | 約8% | 約10% |
科目 | ①FAR ②AUD ③REG ④BEC | [必須科目] ①財務会計論 ②管理会計論 ③監査論 ④企業法 ⑤会計学 ⑥租税法 ⑦企業法 [選択科目] ・経営学 ・経済学 ・民法 ・統計学 | ①商業簿記 ②会計学 ③工業簿記 ④原価計算 |
試験時間 | 各科目4時間 | [短答式試験] ・財務会計論:120分 ・管理会計論:60分 ・監査論:60分 ・企業法:60分 [論文式試験] ・会計学:300分(120+180分) ・監査論:120分 ・租税法:120分 ・企業法:120分 ・選択科目:120分 | 商業簿記&会計学で90分 工業簿記&原価計算で90分 (合計180分) |
合格基準 | 各科目75点以上(99点満点) | [短答式試験] 正答率70%以上 (各科目40%以上) [論文式試験] 正答率60%以上 (各科目40%以上) | 正答率70%以上 |
試験頻度 | いつでも | 年に1回 | 年に2回 |
勉強時間 | 1,000~1,500時間 | 2,500~3,500時間 | 500~1,000時間 |
受験期間 | 1年~1年半 | 1年半~2年 | 半年~1年 |
日本の公認会計士との比較
日本の公認会計士試験は短答式試験(1次試験)、論文式試験(2次試験)の両方に合格する必要があります。
公認会計士資格(日本)の合格率
例年のそれぞれの試験の合格率は次のとおりです。
短答式試験 | 論文式試験 | 合格率 | |
---|---|---|---|
合格率 | 5〜15% | 35〜40% | 7~8% |
USCPA(約30%)と比較すると四分の一程度となっています。
公認会計士資格(日本)の試験科目(時間)と合格基準
公認会計士(日本)の試験科目と試験時間は以下のとおりです。必須科目7科目+選択科目1科目=合計8科目に合格する必要があります。
[短答式試験]
- 財務会計論:120分
- 管理会計論:60分
- 監査論:60分
- 企業法:60分
[論文式試験]
- 会計学:300分(120+180分)
- 監査論:120分
- 租税法:120分
- 企業法:120分
- 選択科目:120分
なお、選択科目は、以下の4科目のうち1つを選択します。
- 経営学
- 経済学
- 民法
- 統計学
監査論は、短答式試験、論文式試験両方の対策が必要です。
なお、各科目の合格基準は、以下のとおりです。
[短答式試験]
正答率70%以上(各科目40%以上)
[論文式試験]
正答率60%以上(各科目40%以上)
公認会計士(日本)の試験頻度と勉強時間(期間)
公認系会計士の試験頻度は、短答式試験年に2度、論文式試験は年1度しかありません。
年に1度の試験に落ちてしまうと、さらに1年間勉強を続ける必要があります。
また、勉強時間は2,500~3,500時間ほどかかると言われています。1日5時間勉強し続けても500日以上かかる計算になるため、受験期間は1年半~2年程度が一般的です。
簿記1級との比較
簿記1級は、主に経理業務に携わる人に人気を集めている資格で、試験方式は筆記試験のみとなっています。
簿記1級の合格率
日本商工会議所によると、合格率は約10%程度で推移しています。
USCPA(約30%)と比較すると、三分の一程度となっています。
簿記1級の試験科目(時間)と合格基準
簿記1級の試験科目と試験時間は以下のとおりです。試験範囲は4科目ですが、試験は2科目ずつ行われるため、2つの試験に合格する必要があります。
試験科目と試験時間(合計180分)
- 商業簿記&会計学:90分
- 工業簿記&原価計算:90分
なお、合格基準は各科目とも、得点率70%以上です。
簿記1級の試験頻度と勉強時間(期間)
簿記1級の試験頻度は年2回(6月、11月)です。
また、勉強時間は500~1,000時間ほどかかると言われています。1日3時間勉強し続けて半年~1年ほどかかる計算になります。
簿記1級を受ける人は、実務経験者や簿記2級をもっている人が多いので、他の資格試験よりも受験期間は短い傾向にあります。
USCPAが難しい3つの理由
USCPAが難しいと言われる主な理由を3つ紹介します。
- 内容が難しい
- 勉強期間が長い(モチベーション維持が大変)
- 英語力が必要
内容が理解できない
日本よりは取得しやすいとはいえ、USCPAは公認会計士試験です。そのため、テキストを読んだり講義を受けたりしても内容が理解できないこともあります。
会計の基礎知識がない場合はもちろん、監査など内容がイメージし辛いことも難易度を押し合げています。
勉強期間が長い(モチベーション維持が大変)
USCPAは試験範囲が広く、その分勉強時間も長くなります(1,000時間以上)。
4科目すべての合格が必要ですが、1科目のボリュームも多いため、合格に近づいているかどうかが分かりにくく、モチベーション維持が難しい点が挙げられます。
英語力が足りない
USCPA試験はアメリカの公認会計士試験なので、英語で出題されます。試験は1科目4時間なので、4時間英語を読み続ける集中力が求められます。
日本語での講義は理解できても、英語の問題を目の前にした途端全然解けない!ということになるのも難しいと言われる理由の一つです。
USCPAを目指すなら予備校選びが重要!
USCPAは、受験期間が長く内容も難しいため、予備校選びが重要です。
予備校に入学すれば、学習サポートはもちろん、受験手続を簡単に行えたり、取得後の転職サポートを受けたりすることができます。
時間と費用がかかる試験ですが、取得すれば十分回収できる試験なので、万全のサポート体制のもとぜひ合格を目指してください。