【2024年|新形式対応】USCPAの試験概要を徹底解説!受験科目や出題内容も!
- USCPAってどんな試験?
- どんな勉強をすればいいの?
- 出題形式は?
USCPA等の資格試験に興味をもったときには、どのような勉強をするのか、どのように出題されるかが気になりますよね。
この記事では、USCPAの試験の出題形式や出題内容を紹介します。
実際の問題や試験画面を見ながら具体的に説明しますので、USCPA試験の概要を知りたい人は最後まで読んでください。
- 試験科目は、必須3+選択1の合計4科目
- 問題形式は四択問題と総合問題の2種類
- 必須科目の内容は財務諸表の監査に必要な基礎知識
- 選択科目の内容は、ビジネス分析や情報システム、税法等
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USCPAの受験資格
USCPAの受験資格は、①学位要件と②単位要件で構成されます。
- 学位要件
4年制大学卒の学位である「学士号」が必要です。
(ただし、一部の州では不要です) - 単位要件
「会計単位」と「ビジネス単位」を一定数取得している必要があります。
受験資格の詳細が知りたい人はこちらの記事もご覧ください。
試験形式:IBT形式(PC試験)
IBT(Internet Based Test)方式で、PCに表示された問題に対して、マウスとキーボードを使って回答します。
テスト当日は、Javaベースの表計算ソフトを利用することができます。
試験科目:必修3+選択1の4科目
USCPAは、次のとおり合計4科目に合格する必要があります。
- CORE(必修)科目:3科目
- Discipline(選択)科目:3科目のうち1科目
必修科目は、USCPAに求められる一般知識が問われます。
選択科目は、より深い知識が問われます。なお、どの科目を選択しても合格後の扱いは同じです。
試験は各科目1つずつ受けることができます。
区分 | 科目名 | 概要 | 試験時間 | 四択問題 | 総合問題 |
---|---|---|---|---|---|
CORE | FAR | Financial Accounting and Reporting (財務諸表論) | 4時間 | 50問(50%) | 7問 (50%) |
AUD | Auditng and Attestation (監査と諸手続き) | 4時間 | 78問(50%) | 7問 (50%) | |
REG | Taxation and Regulation (税務とビジネス法) | 4時間 | 72問(50%) | 8問 (50%) | |
Discipline | BAR | Business Analysis and Reporting (ビジネス分析と報告) | 4時間 | 50問(50%) | 7問 (50%) |
ISC | Information System and Controls (情報システムと統制) | 4時間 | 82問(60%) | 6問 (40%) | |
TCP | Tax Compliance and Plannning (税法遵守と税務計画) | 4時間 | 68問(50%) | 7問 (50%) |
FAR(財務諸表論)の内容と出題比率
FARは、財務会計に関する基本的な知識が必要です。
※財務会計:おおまかに、貸借対照表(BS)や損益計算書(PL)を正確に作るための会計という理解でOKです。
出題比率は次のとおりです。
- 財務報告:30-40%
- 貸借対照表の勘定科目:30-40%
- 取引:25-35%
具体的には、以下のような問題が出題されます。
Lind Co’s salaries expense of $ 10,000 is paid every other Friday for the 10 workdays then ending. Lind’s employees do not work on Saturdays and Sundays. The last payroll was paid on June 18. On Wednesday, June 30, the month-end balance in the salaries expense account before accruals was $ 14,000. What amount should Lind report as salaries expense in its income statement for the month ended June 30
- $24,000
- $22,000
- $20,000
- $18,000
引用:米国公認会計士協会(AICPA)「Practice with accessible CPA Exam Sample Tests」
AUD(監査と証明業務)の内容と出題比率
AUDは、監査人が企業の財務諸表を監査するための基礎知識が必要です。
出題比率は次のとおりです。
- 倫理、専門家としての責任および一般原則:15-25%
- リスク評価および対応計画の策定:25-35%
- 詳細な手続きの実施および証拠の入手:30-40%
- 結論の形成および報告:10-20%
具体的には、以下のような問題が出題されます。
A CPA has been requested by a former audit client to reissue the auditor’s report for the prior period. Before reissuing the report, the CPA should
- Obtain a letter of representation from the former client’s management.
- Make inquiries of the former client’s attorney regarding pending litigation.
- Review the former client’s records to verify its compliance with debt and loan agreements.
- Consider whether there is substantial doubt about the former client’s ability to continue as a going concern.
引用:米国公認会計士協会(AICPA)「Practice with accessible CPA Exam Sample Tests」
REG(税法と商法)の内容と出題比率
REGは、米国の諸邦税法、個人と企業の税務、倫理、法律の専門的な知識が問われます。
出題比率は次のとおりです。
- 職業倫理、専門職としての責任、連邦税務手続き:10-20%
- ビジネス法:15-25%
- 試算取引に関する連邦税制:5-15%
- 個人所得税:22-32%
- 法人税:23-33%
具体的には、以下のような問題が出題されます。
On May 1 of the prior year, Baker purchased equipment with a five-year useful life for a cost of $10,000. Baker adopted the MACRS depreciation system and did not utilize any special depreciation deductions. On March 1 of the current year, Baker sold the equipment. The MARS depreciation schedule for five-vear property is listed below:
First year – 20.00%
Second year – 32 00%
Third year – 19.20%
What amount of depreciation can Baker deduct in the current year?
- $533
- $1.600
- $2,000
- S3,200
引用:米国公認会計士協会(AICPA)「Practice with accessible CPA Exam Sample Tests」
BAR(ビジネス分析と報告)の内容と出題比率
BARは、企業のビジネス環境を理解し、それを基に戦略的な意思決定を行うための専門的な知識が問われます。
ビジネス環境の分析、企業の戦略的意思決定、財務情報の解釈等を勉強します。
出題比率は次のとおりです。
- ビジネス分析:40-50%
- 専門的な会計と報告:35-45%
- 公会計:10-20%
ISC(情報システムと統制)の内容と出題比率
ISCは、企業の情報システムとその統制に関する専門的な知識が問われます。
情報システムの設計と実装、データ管理、ITガバナンスと統制等を勉強します。
出題比率は次のとおりです。
- 情報システムとデータマネジメント:35-45%
- セキュリティや機密保持、プライバシー:35-45%
- SOC業務における検討事項:15-25%
TCP(税法遵守と税務計画)の内容と出題比率
TCPは、税法の遵守と税務会計に関する専門的な知識が問われます。
連邦税法の遵守、税務計画、税務リスク管理等を勉強します。
出題比率は次のとおりです。
- 個人の税法遵守と税務計画、ファイナンシャルプランニング:30-40%
- 法人の税法遵守:30-40%
- 法人の税務計画:10-20%
- 資産取引:10-20%
問題形式について
USCPA試験はPCで受験するIBT形式です。どのような形式で出題されるのかについて紹介します。
出題形式は四択問題と総合問題の2種類
問題形式は、次の2種類があります。
- 四択問題(Multiple Choice)
- シミュレーション(総合)問題(Task based Simulation)
四択問題について(Multiple Choice)
画面上に出題される問題に対して、正しい選択肢をクリックする形式です。
引用:米国公認会計士協会(AICPA)「Get familiar with the CPA Exam by practicing with our sample tests」
シミュレーション問題(Task based Simulation)
ケーススタディーのような総合問題です。
引用:米国公認会計士協会(AICPA)「Get familiar with the CPA Exam by practicing with our sample tests」
出題はテストレット(問題群)ごと
各科目とも5つのテストレット(問題群)に分けられており、テストレット1から順に回答します。
次のテストレットに進むと、それ以前のテストレットには戻れません(各テストレットで前の問題に戻ることは可能です)
また、次のテストレットに進む前に休憩をとることができます
科目合格制度で1科目ずつ受験可能
USCPAは、18か月以内に4科目を受験してすべての科目に合格できればOKです。
最初に合格した科目の受験日から18か月以内に残る3科目を受験して合格できなかった場合は、18か月経過した最初の科目の合格から順に失効します。
失効した科目は再受験して合格し、「4科目を18か月以内に受験し全科目合格」する必要があります。
下図は選択科目がBARのときの例です。最初にFARに合格した後、BARに合格するまでに18か月以上経過した場合、再度FARに合格する必要があります。
USCPAの難易度について
各科目の合格点、合格率と、合格までに必要な勉強時間について解説します。
合格点は75点
各科目とも99点満点中75点以上で合格です。他の受験者の成績にかかわらず、75点以上であれば人数に制限なく全員合格となります。
合格点に達した人全員が合格となり、努力すれば実りやすい試験です。
合格率
合格率は各科目とも50%前後なので、受験者の半数程度は合格しています。
ただし、これは受験者全体(世界中)のものなので、日本人の合格率はやや低くなる傾向があります。
勉強時間
一般的におおよそ1,000~1,500時間必要です。受験期間は1年~1年半程度です。
また、合格率を少しでもあげたい方はこちらの記事もご覧ください。
必要な英語力は?
USCPA試験はすべて英語で出題されるため、英語力は必須です。
ただし、必要な英語力は「基本的な英文読解能力」のみです。
しかし、以下の理由から、なるべく早い段階からTOEICの勉強をしておくことをお勧めします。
- USCPA試験の勉強を有利に進められるから
- 情報収集やUSCPAの勉強と同時並行で進められるから
- USCPA取得後のキャリアが広がるから
必要な英語力やおすすめの勉強方法が知りたい人は、こちらの記事もご覧ください。
試験会場
日本で受験する場合は、東京と大阪で受験することができます。
- 東京:御茶ノ水ソラシティ
※東京駅から最寄りの御茶ノ水駅まで3分程度 - 大阪:大阪中津試験会場
※新大阪駅から最寄りの中津駅まで5分程度
受験料
受験料は州によって変わりますが、日本で受験する場合4科目で合計45万円程度必要です。
具体的には、以下のような費用がかかります。
- 受験資格審査料:90ドル×1(約1.5万円)
- 出願料(受験料):350ドル×4(約20万円)
- 国際会場手数料:390ドル×4(約23万円)
受験料だけでなく、合格までに必要な費用総額が知りたい方は以下の記事もご覧ください。
試験スケジュール
各科目、四半期に1度(同じ科目は年4回)受験可能です。
※2023年12月まではいつでも受験可能
必須科目:FAR、AUD、REG
選択科目:BAR、ISC、TCP
四半期 | 科目区分 | 受験期間 | スコアリリース |
---|---|---|---|
Q1 | 必須科目 | 1/10~3/26 | 6/4 |
選択科目 | 1/10~2/6 | 4/24 | |
Q2 | 必須科目 | 4/1~6/25 | 7/31 |
選択科目 | 4/20~5/19 | 6/28 | |
Q3 | 必須科目 | 7/1~9/25 | 11/2頃 |
選択科目 | 7/1~7/31 | 9/11 | |
Q4 | 必須科目 | 10/1~10/26 | 2025年2月初旬 |
選択科目 | 10/1~10/31 | 12/11 |
新試験制度の主な変更点
2024年1月から新制度が導入されました。主な変更点を紹介します。
Written Communication(記述問題)の廃止
旧制度のBECで出題されていたWritten Communication(記述問題)が廃止されました。
新試験制度では、記述形式の問題はなくなり、全て四択問題または総合問題での出題形式になります。
計算ツールがJavaベースのスプレッドシートに変更
旧試験制度では、Excelを使用して計算していましたが、JavaScriptベースのスプレッドシート(Spread JS)へ変更されます。
現行試験のリサーチ問題はTBS(総合問題)で出題
データベースから基準や条文を検索し回答するリサーチ問題は、TBS(総合問題)の一部で出題されます。
会計基準等の必要な情報は、Exhibit(資料)を参照することになります。
各問題群(テストレット)の難易度変化の廃止
旧試験制度では、それぞれのテストレット(問題群)の正答率に応じて次のテストレットの難易度が変化する仕組みでしたが、新試験制度では、この難易度の変化は廃止されます。
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